2025年11月04日

乳幼児突然死症候群(SIDS)は12月以降の冬期に発症しやすい傾向があることから、こども家庭庁は、毎年11月を乳幼児突然死症候群(SIDS)の対策強化月間と定め、SIDSに対する社会的関心を喚起するため、発症率を低くするポイントなどの重点的な普及啓発活動を実施しています。

赤ちゃんが安全に眠れるように ~1歳未満の赤ちゃんを育てるみなさまへ~
乳幼児突然死症候群(SIDS)について
睡眠中に赤ちゃんが死亡する原因の一つに、乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)という病気があります。

SIDSは、何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が死に至る原因のわからない病気で、窒息などの事故とは異なります。
令和6年には55名の乳児がSIDSで亡くなっており、乳児期の死亡原因としては第3位となっています。
SIDSの予防方法は確立していませんが、以下の3つのポイントを守ることにより、SIDSの発症のリスクを下げられることが研究で示されています。
(1) 1歳になるまでは、寝かせる時はあおむけに寝かせましょう
SIDSは睡眠中に起こります。うつぶせ寝、あおむけ寝のどちらの体勢でも起こっていますが、あおむけに寝かせたほうが発症率が低いことが研究でわかっています。医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合以外は、赤ちゃんの顔が見えるあおむけに寝かせましょう。睡眠中の窒息事故を防ぐ上でも有効です。

(2) 無理のない範囲で母乳育児を
母乳で育てられている赤ちゃんのほうが、SIDSの発生率が低いことが研究でわかっています。様々な事情があり、すべての人が母乳育児ができるわけではありません。授乳に関して少しでも不安を感じる場合は、授乳支援を実施している病院(産科や小児科等)や保健センターなどに相談してみましょう。

(3) たばこをやめましょう
たばこもSIDSの発生要因のひとつであるといわれています。乳幼児の周囲で誰かがたばこを吸うことは、SIDSの発生率を高くすることがわかっています。妊婦自身の喫煙、まわりの人が吸ったたばこの副流煙を妊婦が吸う「受動喫煙」も生まれた後にSIDSの発生要因になります。こどもに関わるすべての大人は喫煙をやめましょう。

睡眠中の窒息について
赤ちゃんのまわりの環境を整えることで、SIDSだけでなく「睡眠中の窒息」も防ぐことができます。
一日の多くを寝て過ごす赤ちゃんにとって、睡眠時の環境はとても大切です。
ここでは、窒息のリスクを下げる5つのポイントをご紹介します。

(1)寝具は硬めで平坦なものを
柔らかいクッションや傾斜のあるマットレスは避け、身体が沈まない硬めで平坦な布団やマットレスを使いましょう。

(2)温度の調整は着るものなどで
掛け布団は赤ちゃんの顔にかかると窒息のリスクがあります。1歳になるまでは掛け布団は使わず、スリーパーなどの着るものや空調で寒さを調整すると安心です。

(3) 寝床には何も置かずにすっきりと
ぬいぐるみやタオルなどは窒息のリスクにつながります。赤ちゃんのまわりは何も置かずにシンプルに整えましょう。

(4) 睡眠環境製品は正しく使いましょう
ベビーベッドやベッド柵などは、国が定めた安全基準の検査に合格した製品を選び、説明書をよく読んで、対象年齢や使い方を必ずチェックしましょう。

(5) 赤ちゃん専用の寝床が安心につながります
大人の身体で赤ちゃんに覆い被さったり、口や鼻を塞いでしまったりする危険がある添い寝には注意をしましょう。以下の場合の添い寝は特に危険です。

添い寝している人が、眠気を引き起こしたり注意力を低下させる薬を服用している場合
添い寝している人が飲酒をした場合
赤ちゃんが早産や低出生体重で生まれた場合
赤ちゃんの睡眠時のすべてのリスクを避けることは難しいですが、まずは、無理なくできることからはじめてみませんか。

PDFファイル